徐脈依存性の再分極異常であるため,心拍数を増加させ,早急に徐脈を改善させることが必要である.薬物治療として,迷走神経緊張に伴う徐脈の場合はアトロピ
ンやイソプロテレノール投与が有効性を示すことがある.しかし,交感神経作動薬はEAD の形成をひき起こすため,投与後には心拍数増加の程度とQT 間隔およびT
波形を注意深く観察すべきである.一般に,原因疾患として高度房室ブロックの頻度が高いため,ペースメーカ植え込み術が適応となる.房室ブロックを伴う本疾患群
では,ペースメーカの心拍数を60 回/min 以下に設定するとQT 間隔の延長をきたし,TdP 発生のリスクが高くなるため,70 回/min 以上にすることが推奨される.徐脈
依存性QT 延長症候群に伴うTdP はペースメーカ治療により予防されるため,通常,ICD は選択されない.