先天性QT 延長症候群では洞性徐脈を示し,洞房伝導時間も延長している例が少なくない.房室伝導は正常であるが,心室筋の不応期の延長により,2:1 房室ブ
ロックがみられる例がある.実験と異なり心室プログラム刺激試験によるTdP の誘発がみられることはまれ である.これは,APD の比較的長い心内膜側からの刺激
であるためと考えられている.誘発がみられた例では,心室頻回刺激後のRR 間隔延長に伴い,あるいはshort-long-short の心室プログラム刺激試験 によって誘発さ
れている.したがって,現時点では先天性QT 延長症候群に対する心室プログラム刺激試験 の有用性は少ないと考えられている.
MAP 記録では,カテコラミン負荷後にQT 延長やT 波終末部の増高に伴い,EAD がしばしば記録され,EAD に及ぼす薬剤の有効性が検討されている.表6 に臨
床心臓電気生理学的検査の適応のクラス別を示す.