経口糖負荷試験中の心電図記録では,血糖値およびインスリン値の上昇に伴い,ST 上昇が増強し,ST 波形はsaddleback 型からcoved 型へ移行することがある.
本試験はST 上昇の増強,coved 型ST 波形の顕性化の誘発に利用できる.さらに,ST-T 波形はしばしば日差変動,日内変動を示し,食事後,とくに夕食後に
saddleback 型からcoved 型への顕性化をみることがあるため,頻回の心電図記録が推奨される.
また,短時間に多くの料理を摂取させ,満腹にすることで副交感神経を亢進させ,coved 型ST 上昇を顕性化させる試みも有用である.