Brugada 症候群は明らかな器質的心疾患を認めず,特徴的な心電図所見を有し,心室細動による心停止発作を認める症候群であり,現在のところ突然死予防に唯
一の有効な治療法は植込み型除細動器(ICD)である.しかし,Brugada 症候群として考えられる症例のなかには,心停止発作蘇生例から無症候例まで多くのサブタ
イプを認め,すべての例にICD 植え込みがなされるべきであるとは考えられない.現時点では病状を層別化し,致死的な心停止発作が生じる可能性の高い場合にICD
植え込みが選択される.表12 にICD 植え込みの適応のクラス別を示す.