5.1 Holter 心電図
 先天性QT 延長症候群では,QT 時間が延長(≧ 440~460 msec)していることがその診断の根拠になる.しかし,12 誘導心電図でその延長が明らかでない患者
では,その診断に苦慮するときがある.このような場合は,Holter 心電図を用いてQT 時間あるいはT 波の変化を解析して診断率が向上することが示されてい
る.Holter 心電図で計測された再分極の空間的異常を反映するQT dispersion あるいは貫壁性異常を反映するTp-Te もQT 延長症候群の診断に有用である.先天性
QT 延長症候群でのTdP の発現には,運動,精神的興奮,ストレスなどの関与が知られており,とくにLQT1 とLQT2 では交感神経活動の亢進が強く関与する.Holter
心電図上のRR 間隔の変動,すなわち心拍変動を解析し,交感神経活動の亢進とTdP 発現とに関連性があることを評価した報告もある.
III. QT先天性延長症候群の診断 > 5. Holter心電図,T wave alternans,ループレコーダ > 5.1 Holter 心電図
次へ
 
【ダイジェスト版】
QT延長症候群(先天性・二次性)とBrugada症候群の診療に関する
ガイドライン(2012年改訂版)

Guidelines for Diagnosis and Management of Patients with Long QT Syndrome and
Brugada Syndrome( JCS 2012)