Brugada 症候群の心電図診断で,V1 ~ V3 誘導のST-T偏位はA 型(=タイプ1:coved 型ST 上昇〈J 点≧ 0.2mV〉),B 型(=タイプ2,3:saddleback 型ST 上昇
〈J 点≧ 0.2 mV〉),C 型(=タイプS:coved 型軽度ST 上昇〈0.2mV > J 点≧ 0.1 mV〉)の3 型に分類されている.
さらに,各型の心電図自動診断に必要な指標を,Brugada 症候群の心電図を対象として,右脚ブロック型心電図と識別するために検討した結果を以下に示す.① A
型(=タイプ1)ではBrugada 症候群と右脚ブロックの識別で,J 点≧ 0.2 mV に加え,Ŕ - Ŕ40 ≦ 0.4 mV およびŔ > Ŕ40 > Ŕ80 の基準項目を用い鑑別可能で
あった.② B 型(=タイプ2,3)ではJ 点0.2 mV に加え,J 点>ST 最下点(終末部)およびT 波> ST 最下点(終末部)を用い検出可能であった.③ C 型(=タイプS)
では0.2mV > J 点≧ 0.1 mV に加え,A 型のŔ 基準およびŔ -Ŕ40 ≧ 0.04 mV,Ŕ40 - Ŕ80 ≧ 0.04 mV を追加項目とすることにより,成人および小児の
Brugada 症候群と右ブロック心電図の鑑別が可能であった.